P301は18ビットA/Dコンバータを1基搭載した、パルス波高分析器です。2系統の入力を備えており、異なるシェーピングタイムの入力信号のパルス波高を同時に計測することができます。パルス波高入力から、スペクトルデータ(パルス波高値のヒストグラム)やリストデータ(全イベントのタイムスタンプと波高値データ)を生成することができます。
● 高精度18ビットの逐次近似型A/Dコンバータを1基搭載しています。これにより実用的に使用される10ビット(1024段階)あるいは12ビット(4096段階)のデータ収集にて良好な直線性を実現しています。
● 電源は接続が容易なバスパワー接続の他に、ホストPCと電気的に絶縁した接続が可能です。ディジタルアイソレータICを内蔵しています。
● 本機の制御およびデータ出力は、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)インターフェースを採用しています。そのためユーザ側で作成したアプリケーションで動作可能です。また、制御およびデータ出力にシリアルインターフェースを用意するだけなので、将来のオペレーティングシステムのバージョンアップにも対応が容易で、オペレーションシステムに依存しないシステムを構築できます。なお付属ソフトウェアにより基本的な制御や測定が可能です。
● トリガからA/D変換開始までの時間をユーザで設定可能です。そのため入力信号のシェーピングタイムに合わせたタイミング設定が可能です。トリガレベルは操作性が良い多回転ポテンショメータをパネル前面に配置し、設定が容易です。
● 本機は1イベントに対するA/D変換を複数回実行します。これにより回路ノイズの影響の低減を図っています(入力される信号のノイズを除去するものではありません)。また複数回実行したA/D変換値の変動から、パイルアップなどの異常信号を検出する機能があります。
P301の主な仕様
項目 | 仕様 | 備考 |
A/D変換部 | 分解能:18ビット 微分直線性:+/- 0.8 LSB 積分直線性:+/- 3.2 LSB リファレンス電圧:+4.1 V A/D変換時間:約12 µs (変換回数8回の合計時間) | 分解能および直線性はA/D変換ICの仕様 |
タイムスタンプ | ビット数:32ビット クロック:96 MHz、1.5 MHz、93.75 kHzを設定可能 | オーバーフロー回数をリストデータに出力可能 |
シリアル通信部 | ボーレート(最大スループット): 115.2 kbps (1 kcps) 2 Mbps (16 kcps) 3 Mbps (25 kcps) 12 Mbps (33 kcps) を設定可能 | 最大スループットは、トリガからA/D変換までの待ち時間を 5µsに設定した場合 |
信号入力部 | 入力電圧範囲:0 V – +4.1 V 入力インピーダンス:10 kΩ | 許容電圧範囲: -0.5 V ~ +5.25 V |
ゲート入力 | 論理:Highのとき波高分析ON | フォトカップラ内蔵 |
電源 | DC 5 V +/- 5% 、 100 mA | USBバスパワーあるいはセルフパワーにより供給、USB Type-Cコネクタ使用 |
寸法 | 100 mm x 30 mm x 130 mm | 突起部を除く |
重量 | 340 g |
P301 価格: ¥218,900 (税込)